第三話「廃墟にて……」
その廃墟は、およそ相応しくない場所に今も変わらずに建っています。
商店街の大通りから横に入ったところ。大通りほどではないにしろ、商店が立ち並ぶ中にあります。
崩れ落ちた塀の向こうに見える家は、廃墟となった今でも裕福な人が住んでいたであろうことがわかります。
封鎖された門の先に、玄関が見えました。
扉が壊されているわけでもなく、玄関は建物の他の部分に比べて綺麗なものでした。
「まあ、廃墟だな」というくらいしか、正直、感想はありませんでした。
帰ろうと思った瞬間、玄関の奥が光ったような気がしました。
まさかと思ってよく見ると、やはり玄関の奥で何かが光っています。
扉についたガラスが光で緑色に輝きました。
恐怖に駆られてその場をはなれ、遠くから塀越しに見てもやはり何かが緑色に光っていました。
これは後で知ったことですが、その廃墟は戦前に建てられたもので、電気も届いていないということでした。
2004年04月04日 匿名希望
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